弁護士コラム

親の死後すぐに相続手続きは危険?落とし穴解説

2025.05.20

親が亡くなった直後、「早く相続の手続きを進めなければ」と慌てて行動する方が少なくありません。しかし、相続はスピードよりも正しい判断が何より大切。焦って対応すると、後から大きな損を抱えるリスクがあります。

本記事では、相続手続きの際に注意すべき「落とし穴」について解説します。

相続には“負の遺産”もある!? 借金を引き継いでしまうリスク

相続と聞くと、現金や不動産など「プラスの財産」を引き継ぐイメージが強いかもしれませんが、実は「借金」や「連帯保証債務」などマイナスの財産も相続の対象になります。

被相続人(亡くなった方)に多額の借金がある場合、それを相続人がそのまま引き継いでしまうことも。これを防ぐために必要なのが「相続放棄」や「限定承認」という手続きです。

「相続放棄」と「限定承認」の違いと注意点

  • ・相続放棄:一切の財産(プラス・マイナス)を相続しないと家庭裁判所に申し立てる手続き。相続開始を知った日から3か月以内に行う必要があります。
  • ・限定承認:相続財産の範囲内でのみ負債を支払うという制度。借金よりも財産が多ければ残りを受け取れる可能性があります。

これらを行わず、無意識に「相続を受け入れる行動」をしてしまうと、借金を含めてすべて引き継いでしまうため注意が必要です。

遺言書があるとき/ないときの違い

相続のトラブルは「遺言書の有無」によって大きく変わります。

  • ・遺言書がある場合:基本的にはその内容に従って相続が進みます。ただし、法的に不備のある遺言書や、内容が曖昧なものは無効になることもあるため、弁護士のチェックを受けるのが安心です。
  • ・遺言書がない場合:法律に基づいた「法定相続」が適用されます。しかし、「誰がどれだけ相続するか」を巡って争いになることが多く、ここから深刻な争族に発展するケースもあります。

実際に起きた相続トラブルの例

事例:借金が発覚してからのトラブル

母が亡くなり、不動産と預貯金が残されました。長男は何の疑問もなく相続手続きを開始。しかし、その後、多額の借金があったことが判明。相続放棄の期限はすでに過ぎており、泣く泣く借金を支払うことに――

このように、「知らなかった」では済まされない事態になることもあるのです。

大阪で相続に強い弁護士に相談するメリット

相続手続きは、見た目以上に複雑です。「どこまでが財産?」「何を先にすべき?」「親族間の調整はどうすれば?」といった悩みを、一人で抱えるのは大きな負担になります。

当事務所では、初回の無料相談にも対応しており、事前に状況を丁寧にヒアリング。遺産分割や相続放棄の手続き、遺言書の有効性確認など、幅広くサポート可能です。

まとめ:焦らず、まずは弁護士に相談を

焦らず慎重に、まずは弁護士に相談を。
親が亡くなった直後は精神的に不安定な時期で、冷静な判断が難しいものです。しかし、相続手続きを急ぐことで、借金の相続やトラブルなど思わぬリスクが生じることがあります。限定承認や相続放棄など、専門的な知識が必要な手続きも多いため、相続に強い大永法律事務所へまずはお気軽にご相談ください。

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