弁護士コラム

熟年離婚したいけどお金がない場合

2025.06.02
熟年離婚したいけどお金がない場合

離婚を考えている夫婦にとって、「離婚をどのように切り出すべきか」「離婚後の生活が不安だ」など、多くの悩みや疑問を抱えているのではないでしょうか。

吹田市・江坂にある大永法律事務所には、「突然離婚を突然切り出された」「相手に慰謝料請求したい」など、離婚に関わる様々な相談が寄せられています。

そこで今回は、熟年離婚したいがお金がない場合について解説します。

熟年離婚で獲得できるお金の基礎知識

熟年期に差し掛かり、長年の結婚生活を見直す中で離婚を考える方は少なくありません。しかし、経済的な不安から踏み切れないケースも多いのが現状です。
今回は、熟年離婚を考えているものの、お金の面で悩んでいる方々に向けて、知っておくべき情報や準備すべきことについて解説します。

まず、熟年離婚を考えるうえで押さえておきたいのが、離婚時に分配されるお金についての知識です。主に以下の5種類が挙げられます。

1.財産分与

財産分与とは、結婚期間中に夫婦で築いた財産を公平に分配することです。基本的には5:5の割合で分けられますが、財産構築への寄与度によっては6:4や7:3になることもあります。
財産分与の対象となる主な項目には次のようなものがあります。

  • 預貯金
  • 不動産
  • 有価証券
  • 退職金
  • 保険解約返戻金
  • 私的年金

注意すべき点として、結婚生活で生じた負債も考慮される場合があります。例えば、住宅ローンは不動産の価値から差し引いて計算されます。

2.離婚慰謝料

離婚の原因が一方の配偶者にあり、それが違法な権利侵害と評価できる場合に請求できるのが慰謝料です。代表的な例としては不貞行為があり、一般的な相場は100~300万円程度です。
その他の慰謝料が発生する可能性がある原因として、以下のようなものがあります。

  • 悪意の遺棄(50~300万円)
  • DV・モラハラ(50~300万円)

ただし、これらの金額はあくまで目安であり、個々の事情により変動します。

3.年金分割

年金分割は、結婚期間中に夫が支払った厚生年金を妻に分けることを指します。対象となるのは、サラリーマンや公務員の厚生年金です。
年金分割の方法には以下の2つがあります。

  • 合意分割(話し合いで決定)
  • 3号分割制度(2008年4月以降に積み立てた年金を対象として、相手の合意なく半分を受け取る)

ただし、熟年離婚で年金に関して注意すべき点があります。例えば、65歳の年金受給開始前に離婚すると、夫の加給年金や妻の振替加算を受け取れなくなる可能性があります。

4.養育費

未成年の子どもがいる場合、親権者は非親権者に養育費の支払いを求めることができます。養育費には食費、学費、医療費などが含まれます。

5.婚姻費用

別居中や離婚調停中に、収入の少ない配偶者や子どもを養育している配偶者が、生活費や家賃などの婚姻費用を相手に請求できる制度です。

熟年離婚で準備しておくことは?

熟年離婚を考えている方が、経済的な不安を軽減するために準備すべきことをいくつかご紹介します。

離婚後の具体的な生活設計

離婚後の収入と支出を具体的に計算し、生活設計を立てましょう。

離婚前の就職活動

専業主婦だった方は、離婚前に仕事を見つけておくことをおすすめします。パートやアルバイトからでも始めてみましょう。

住まいの確保

離婚後の住居について、実家へ帰ることや賃貸物件の検討など、早めに準備を始めましょう。

老後の備え

介護施設や葬儀のことまで視野に入れた、長期的な計画を立てることが大切です。

離婚でもらえるお金の試算

財産分与や慰謝料など、離婚時に得られる可能性のあるお金について、事前に試算しておきましょう。

弁護士への相談

専門家に相談することで、より有利な条件で離婚できる可能性があります。早い段階から弁護士に相談することをおすすめします。

熟年離婚でお悩みの方は、専門家へご相談ください

熟年離婚でお悩みの方は、専門家へご相談ください

熟年離婚を考えている方にとって、経済的な不安は大きな障壁となります。しかし、適切な知識を持ち、十分な準備をすることで、その不安を軽くすることは可能です。それと同時に、離婚が全てではないということも心に留めておきましょう。ストレスの少ない生活を送ることが最優先であり、離婚以外の選択肢も含めて慎重に検討することをおすすめします。

当事務所では、豊富な経験と実績を持つ弁護士が、熟年離婚に関する様々なご相談を承っております。「離婚を考えているがお金の心配がある」「先のことを考え、離婚に踏み切るべきか迷っている」という方は、当事務所にお気軽にお問い合わせください。

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