吹田市・江坂にある大永法律事務所には、「遺産分割の具体的な進め方を知りたい」「相続トラブルを避けるための注意点は?」といった様々なご相談が寄せられています。
そこで今回は、兄弟で遺産相続する際によくあるトラブルについて、分かりやすく解説していきたいと思います。
兄弟姉妹の間で起こりがちな問題とは?
兄弟で遺産相続をする場合、複雑な感情や利害関係が絡み合うことで、トラブルに発展するケースが多くみられます。
では、兄弟姉妹間に起こる相続のトラブルにはどんなものがあるのか、対処法とともに以下で詳しくみていきましょう。
不動産が遺産の大部分を占める場合
遺産の大部分が不動産、特に被相続人の自宅である場合、公平な分割が困難になります。例えば、1億円相当の自宅と1,000万円の現金がある場合、現金だけでは法定相続分を満たせないことがあります。
このような状況では、以下の解決策が考えられます。
換価分割
不動産を売却して現金化し、分配する。
代償分割
不動産を相続する人が他の相続人に現金で代償する。
共有分割
不動産を共有名義にする。
遺言書の内容が不平等な場合
被相続人が残した遺言書の内容が兄弟間で極端に偏っている場合、トラブルに発展しやすくなります。
このような場合、遺留分侵害額請求権を行使することで、最低限の相続分を確保できる可能性があります。
想定より遺産が少ない場合
不動産価値の下落や医療費・介護費用の支出により、予想していたよりも遺産が少ないケースがあります。
このような場合、以下の対応が考えられます。
・遺産の再評価を行い、現状に即した分割を検討する
・相続放棄や相続分の譲渡を考慮する
思いがけない相続人が出現した場合
非嫡出子や養子など、予想外の相続人が現れることがあります。
こうした場合、以下の点に注意が必要です。
・法的に認められた相続人の権利を尊重する
・必要に応じて、DNA鑑定など法的な確認を行う
寄与分の主張
被相続人の介護や事業の手伝いをしていた兄弟が寄与分を主張する場合があります。寄与分が認められると、その相続人の相続割合が増加します。
寄与分をめぐる争いを避けるためには、以下の対策が有効です。
・生前に被相続人と相続人間で寄与分について話し合っておく
・介護や事業への貢献を客観的に記録しておく
特別受益の扱い
生前贈与や遺贈など、特定の相続人が受けた特別な利益は、相続分の計算時に考慮されます。
特別受益の有無や金額について争いが生じた場合、以下の対応が考えられます。
・生前贈与の記録を明確に残しておく
・特別受益の金額について、専門家の評価を受ける
コミュニケーション不足によるトラブル
兄弟姉妹間が疎遠な場合、円滑な話し合いが困難になります。
このような状況では、以下の方法が有効です。
・中立的な第三者(弁護士など)を介して話し合いを進める
・遺産分割調停を利用する
配偶者の介入
兄弟姉妹の配偶者が相続に口を出すことで、事態が複雑化することがあります。
このような場合、以下の点に注意が必要です。
・相続人以外の意見は参考程度にとどめる
・必要に応じて、特別寄与料の制度を検討する
トラブル回避のための事前対策とは?
相続トラブルを未然に防ぐためには、被相続人が生前に以下の対策を講じることが重要です。
・詳細な遺言書の作成
・生命保険を活用した相続対策
・家族間での定期的な話し合い
兄弟間の相続トラブルは、当事務所にご相談ください
兄弟姉妹間の相続トラブルは、感情的な要素が絡むため、解決が困難になりがちです。家族関係を損なうことなく、公平で納得のいく遺産相続を実現するためにも、お早めに専門家に相談されることをおすすめします。
当事務所では、相続問題に関する豊富な経験を持つ弁護士が、法的観点から最適な解決策をご提案いたします。兄弟間の相続問題にお悩みの方は、ぜひ当事務所にご相談ください。