弁護士コラム

兄弟が音信不通の場合、相続はどうなる?

2024.09.03
兄弟が音信不通の場合、相続はどうなる?

吹田市・江坂にある大永法律事務所には、「遺産分割の具体的な進め方を知りたい」「相続トラブルを避けるための注意点は?」といった様々なご相談が寄せられています。

そこで今回は、兄弟が音信不通の場合、相続はどうなるのかについて、分かりやすく解説していきたいと思います。

音信不通の兄弟がいる場合の相続の問題点

兄弟が音信不通の状態で相続が発生した場合、以下のような問題が生じる可能性があります。

遺産分割協議が進められない

遺産分割協議は相続人全員の合意が必要です。音信不通の兄弟がいると、協議を開始することすらできません。

遺産分割の無効や遺留分侵害の主張リスク

何らかの事情から音信不通の兄弟を除外して相続を進めても、遺産分割協議は全ての相続人の合意がない限り無効となってしまいます。

また、遺言書通りに相続を行っても、後日その兄弟が現れて遺留分侵害額請求をする可能性があります。

音信不通の兄弟がいる場合の解決策は?

音信不通の兄弟がいる場合の解決策として、以下の5つが挙げられます。

1.音信不通の兄弟を探す

まずは音信不通の兄弟を探すことが重要です。以下の方法が考えられます。

■自力で探す

戸籍謄本や戸籍の附票を取得し、本籍地や最新の住所を確認する。

■探偵に依頼する

人探しに関して専門的な調査能力がある、探偵事務所を活用する。

■弁護士に依頼する

相続問題の対応とあわせて、相続人調査を依頼する。

2.法的手続きを活用する

兄弟を見つけられない場合は、以下の法的手続きを検討します。

■不在者財産管理人の選任

裁判所に申立てを行い、行方不明の兄弟の財産を管理する人を選任してもらいます。

※不在者財産管理人の選任には、報酬の支払いが必要になる可能性があります

■失踪宣告の申立て

一定期間生死不明の人物を、法律上死亡したとみなす(失踪宣告)手続きを行います。

なお、失踪宣告を申し立てる場合、数次相続が発生し、事案がさらに複雑化する可能性もあります。

3.遺言書の活用

被相続人がまだ存命の場合、遺言書を残してもらうことで対策できます。

遺言書があれば、原則として遺産分割協議が不要になりますが、遺留分侵害の可能性には注意が必要です。

4.法定相続分どおりの登記を行う

不動産の場合、法定相続分に従って相続登記を行うことが可能です。ただし、この方法には限界があり、不動産を売却する場合には音信不通の兄弟の同意が必要となります。

5.相続放棄の検討

相続開始を知ってから3ヶ月以内であれば、相続放棄の手続きを行うことができます。相続したい遺産がなく、音信不通の兄弟を探す負担を避けたい場合の選択肢となります。

お困りの場合は、お早めに専門家へご相談ください

お困りの場合は、お早めに専門家へご相談ください

音信不通の兄弟がいるケースでは、相続の手続きが複雑になる可能性があるため、お早めに専門家のアドバイスを受けられることをおすすめします。

当事務所では、相続に関して豊富な経験と実績を持つ弁護士が、円滑な相続問題の解決に向けて、皆様をサポートいたします。
音信不通の兄弟がいて相続が進められない、法的な手続きが難しいなど、相続でお悩みがある方は、お気軽に当事務所にご相談ください。

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