弁護士コラム

相続で揉める12のケース

2024.06.20
相続で揉める12のケース

吹田市 江坂にある大永法律事務所には、「遺産分割の具体的な進め方を知りたい」「相続トラブルを避けるための注意点は?」といった様々なご相談が寄せられています。

そこで今回は、相続で揉める12のケースについて、分かりやすく解説していきたいと思います。

1 二次相続・三次相続で関係者が多数

相続が何代にもわたり、相続人が増えていくケースです。当事者間の連絡や合意形成が難しくなり、紛争が複雑化・長期化しやすくなります。

2 相続人が子2人のみ

仲裁役がいない状況で、意見の対立が深刻化しやすいパターンです。子が3人以上いれば、誰かが調停役を務められる可能性がありますが、2人だと難しいでしょう。

3 固定資産はあるが流動資産が少ない

家業を継がない子が増え、土地の分割や売却で意見が割れるケースです。土地の現物分割か売却かで合意が取れず、遺産分割が進まなくなります。

4 介護を行った相続人がいる

介護に尽力した相続人が、寄与分を主張する一方、他の相続人が介護相続人による財産の不正取得を主張し、対立するパターンです。

5 相続人が遠隔地に分散

被相続人と疎遠な相続人に相続放棄を願っても、承諾が取りづらいケースです。書面などのやり取りでは合意形成が難しく、解決が長引きがちです。

6 表面的な法律知識を持つ相続人がいる

ネットで得た一面的な情報に固執する相続人がいると、話し合いがこじれる恐れがあります。法定相続分や遺留分など、自分に有利な部分だけを主張するのです。

7 自筆証書遺言で有効性を争われる

自筆証書遺言は、形式の不備や証人不在を理由に、無効を主張されやすい傾向にあります。遺言の前提が揺らぐと、争点が広がり、紛争が長期化します。

8 世代間の経済力に格差がある

親の経済力への期待が高まり、相続人同士の主張が過熱しやすいケースです。とくに相続人の経済状況が芳しくない場合、遺産の取り分を巡って揉めます。

9 核家族と同居家族の価値観の差

「同居の兄が多めに相続するのが当然」と考える親と、「平等に分けるべき」と考える別居の弟など、前提となる価値観の違いから、主張がかみ合いません。

10 長子や女性を巡る価値観の差

「長男に家督を継がせたい」「介護は女性の役割」など、属性による差を当然視する価値観を持つ人もおり、不平等感から相続人同士の葛藤が生じます。

11 離婚・再婚など家族関係が複雑

養子縁組の有無で相続関係が変わる子連れ再婚や、非嫡出子の認知を巡る問題など、複雑な家族関係ゆえの相続トラブルは、感情的にも揉めやすいのです。

12 家族の絆が薄れている

直系家族制度の崩壊により、家族間の扶養意識が弱まっています。「自分さえよければいい」という個人主義的な権利の主張が、相続人同士の対立を招きます。

相続トラブルを予防するために

①公正証書遺言の作成:有効性の高い公正証書遺言を残し、争点を最小限に抑えましょう。

②遺留分に配慮:遺留分侵害に気をつけ、必要なら遺留分放棄の手続きを取りましょう。

③専門家に相談:法律の専門家と相談し、納得感のある遺産分割を心がけましょう。

 

もし相続で揉めそうな場合は、当事者同士で話し合いを続けるよりも、早めに弁護士に相談し、冷静で建設的な協議の場を設けることをおすすめします。

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