吹田市・江坂にある大永法律事務所には、「遺産分割の具体的な進め方を知りたい」「相続トラブルを避けるための注意点は?」といった様々なご相談が寄せられています。
そこで今回は、遺産分割における預貯金の分け方について、基本的な流れから具体的な分割方法まで分かりやすく解説していきたいと思います。
遺産分割における預貯金の分け方
遺産分割における預貯金の分け方は、大きく分けて2つのステップで進めていきます。
まず相続人間で話し合い、誰がいくら預貯金を受け取るのか、その「取り分」を決定します。取り分を決める際には、法律で定められた法定相続分を参考にするのが一般的です。
法定相続分とは民法で定められた遺産分割の基準で、相続人の続柄ごとに取り分が決められています。例えば配偶者と子が相続人の場合、配偶者は法定相続分の2分の1、子は2分の1ずつというように定められているのです。
ただしこれはあくまで目安であり、相続人全員の合意があれば、法定相続分と異なる分け方をすることも可能です。円満に遺産分割を進めるには、話し合いを重ね、納得のいく取り分を決めることが重要です。
具体的にどう預貯金を分割するのか?
取り分が決まったら、次は具体的にどのように預貯金を分割するのか、その方法を決めていきます。
主に以下の3つの分け方が考えられるでしょう。
1.口座を解約し、相続人それぞれの口座に振り込んでもらう
2.預金口座ごとに相続し、相続人の口座に名義変更する
3.他の相続財産と組み合わせて調整する
1つ目の方法は最もオーソドックスな分け方です。被相続人の口座を解約し、相続人それぞれの取り分を、指定の口座に振り込んでもらいます。
2つ目は、預金口座をそのまま引き継ぐ方法です。相続人が名義変更の手続きを行い、自分名義の口座にします。
3つ目は、不動産など他の相続財産がある場合に有効な方法です。預貯金以外の財産と組み合わせて、トータルの取り分が均等になるよう調整します。
預貯金の具体的な相続手続き
預貯金の具体的な相続手続きは、以下のようなステップで進めていきます。
1.被相続人が保有していた預貯金の把握(預金残高や口座の確認)
2.金融機関への相続手続き依頼
3.遺産分割協議(預貯金の取り分と分割方法を決定)
4.遺産分割協議書の作成
5.金融機関での手続き(解約、名義変更など)
最初に被相続人の預金口座を把握し、金融機関に相続の発生を届け出ます。
そして相続人間で遺産分割協議を行い、合意内容を遺産分割協議書に記載します。
協議書を作成したら、各金融機関に赴き、必要書類を提出して手続きを進めるという流れです。
預貯金の分割の注意点
預貯金の分割においては、以下の点には特に注意が必要です。
・ 遺産分割前に、個人の判断で勝手に引き出すことは避ける
・ 預貯金の不正引き出しを防ぐため、早めに口座を凍結する
・ やむを得ず、生活費等のために引き出す必要がある場合は、仮払い制度の活用を検討する
預貯金は遺産分割の対象であり、個人の判断で引き出すことは許されません。
トラブル防止のためにも、被相続人の死亡後はなるべく早めに金融機関に連絡し、口座の凍結手続きを取りましょう。どうしても引き出さざるを得ない事情がある場合は、仮払い制度を利用することで、一定の範囲内で引き出しが認められます。
専門家へご相談ください
基本的には、話し合いを重ねて納得のいく取り分を決め、適切な方法で分けていくことが大事です。とはいえ、預貯金の分割は相続人間の利害関係が絡むデリケートな問題です。「専門家のアドバイスが欲しい」という方は、ぜひ当事務所までご相談ください。
豊富な相続問題の取り扱い実績を持つ弁護士が、法的観点からしっかりとサポートいたします。